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■ Mebius Link Crossroad -天動説-
1971 / 11 / 23 ( Tue )
以下、連載中の「メビウス リング クロスロード」のパチモノです。
これ単独でも読めるようにはしてますが、
ビミョーにリンクした(しかも本編にまだ出してない)コネタが出てきます。スルーして貰えれば幸いです。

「メビウス リング クロスロード」との分岐点として、
エドがヒューズさんと遭遇した後にずぶぬれで迷い猫の如くハイデの家に転がりこんだり
クリスマスにはグリューワインで悪酔いした後、年明けまで延々貪りあってたり、
エドが鎧アルと再会して鎧の頭だけお持ち帰りした夜にキレたハイデにいいようにされちゃったり
そんな流れの場合の完結編みたいなカンジです。 
ハイエド的にはそんなハードな紆余曲折を経た方がハッピーエンドだと言う笑える展開に
書いた本人が一番びっくりしております。





________________________________________________________________


Mebius Link Crossroad -天動説-





医者からその話を聞き、アルフォンスの病室へと戻ってきたものの、扉の前で足が止まる。
さて、アルフォンスにどう伝えたものか。
早く言った良い。 


※  ※  ※


銃弾に倒れたアルフォンスは一命を取り留めた。
だが、死の淵に片足を突っ込んだ者が戻ってきたところで、
それは、死者が蘇ったワケではない、再生でもない、ましてや新生ではない。
アルフォンスを蝕む病巣はあいつの身体に巣食ったままだった。

病室で意識を取り戻したアルフォンスがオレを見とがめて放った第一声は

「バカ」

だった。

「バカ バカ バカ バカ? ほんとに、どうしようもないバカですねぇ エドワードさんは」

ベットに深く身体をあずけたまま、言葉を発するごとに響く苦痛に耐えながら、半ば諦め顔で言われた。
そりゃ、そうだろう、せっかくアルフォンスがオレを送り出しくれたのに、ノコノコと戻ってきたのだ。
だから、オレも甘んじて受けていた。


あのまま、アルフォンスが死んでしまっていたら伝える事が出来ないとオレを心底ゾッとさせた、謝罪と感謝の言葉も、
アルフォンスが目を覚ましたら真っ先に伝えようとずっと考えていた言葉も、
アルフォンスが目覚めるのを待っている間に、
アルフォンスがオレを向こうの世界に帰す事で自身が生きた証を残そうとしたしたのだと思い至ったら言えなくなってしまった。

結局、オレはアルフォンスの好意も、アルフォンスの存在も、無意味にしてしまう存在なのか?
残された僅かな時間でアルフォンスがオレに賭けたモノ、投影した存在証明、託した未来。
全てをムダにした張本人が、どんなに謝罪と感謝の言葉を尽くしても、楽になるのはオレだけで、アルフォンスの未来は閉ざされてしまうのに…。

それでも一つの結果がココにある。
自分だけが得てばかりでうしろめたい。

アルに――― 弟に改めて引き合わせたらやっぱり「バカ、バカ」言われた。それはもう他の言葉を知らないんじゃないかってくらいに。
なんか、前にも、こう言うシチュエーションがあったような気がする。 あの時は立場が逆だったのだ。

アルはこちらの世界に来ても、ものおじせずに、かいがいしくもちょこまかと良く動く。
こちらの世界で頼れるのはオレだけのハズなのに、アルフォンスのベットに張り付いてるオレの世話をやかせたくらいだ。
「ごめんな」とオレが謝る度に、「何を今更」と屈託無く笑って返す。
ああ言うのを本当の日なたの仔犬と言うんだなと評したのはアルフォンスで、エドワードさんのは偽モノだったと付け加えられた。

懐かしいものをいとおしむようなアルフォンスの満たされた微笑。

ノーアとアルが連れ立って花瓶の水を変えに言っている間にアルフォンスが言った。

「バカだ、バカだと思ってましたけど、こんなにバカだとは思いませんでしたよ。
 アル君とぼくのどこが似てるって言うんですか」

外に見える木々が緑から黄色、赤へ、茶色へと日々、目まぐるしい勢いで移ろっていくのが目の端にとまる。
いたたまれない。
今はなんとか上体を起こして、枕をクッションがわりにもたれかかってるアルフォンスがため息とともに肩をおとす。

「あんなに、生気に満ち溢れてる子と……   ……ッ!」

我慢の限界、それ以上は言わせない。オレは文字通りアルフォンスの口を塞いだ。

「…………っん  …ん」

しゃべりかけだったアルフォンスの口内に割って入るのはたやすく、
はずみが止まらず少し舌を咬まれたが、話を中断されたアルフォンスの抵抗はこの際無視する。
執拗に奥を攻めて、口どころか、息すらも塞がれそうなアルフォンスが妥協策として応えてくる。
卑怯は重々承知だ。
でも聞きたくない、アルフォンスに言わせたくない。
最後にアルフォンスの下唇を二度啄ばんで、アルフォンスを解放する。

「もう、エドワードさんは」
あきれ顔のアルフォンスを確認してから、するするとアルフォンスの膝もとに頭をさげる。
シーツ越しに顔をうずめるも、消毒液くさくて落ち着かない。アルフォンスの傍なのに。



「なあ、おまえがいなくなった世界でも、オレは認めていかなきゃならないのか」
「そうですよ」

「お前を命を背負っていけって?」
「そうですよ、よろしくおねがいします。」

「重いな……」
「軽く扱われても、困ります。」

「それに、一人じゃないでしょう、 あなたにはアル君がいるじゃないですか」

「お前とアルはちがう。 お前だってそう言った。」

まるで拗ねた子供のようだ。
こんな事言ったって、アルフォンスを困らせるだけだ。
虚勢を張ってでも、オレはもう大丈夫だとアルフォンスを安心させてやるべきなのに。

「半端に納得しちゃって、性質悪いなぁ.....」

そう言いながらも、うつぶせたままのオレの頭をなでるアルフォンスの手はやさしい。
髪を梳くように流れる指先が繰り返し触れる。

「お兄ちゃんでしょう。
 そんなんじゃ、心配で、死んでも、死にきれませんよ」

「だったら、死ななきゃいい」
 額から前髪を横にかき分けてアルフォンスがオレの顔を見ようとするから、いっそう、額をシーツに押し当ててやった。
 くぐもったはずの声をアルフォンスはそれでも聞き取ってくれる。

「死ぬとか言うな ばか」

「また、むちゃを」

ムカつく。
この後に及んでアルフォンスに甘えてる自分に。
いつだってオレを優先してきたアルフォンスのたった一つの我侭をきいてやれない自分に。

何よりオレの為だけに戻ってきたアルフォンスに。
何の為にお前は戻ってきた? アルフォンス・ハイデリヒ

感謝と謝罪。

オレがそれを手放したら、オレを楽にしたら、お前は今度こそ、逝ってしまう気なんだろう。


だから言わない。 






アルフォンスの手を探し当てて握りしめる。


「だって、まだ生きてる。 お前はココにいるんだ!」

「たのむから…… 死んだ後の事なんか ………」

自分でその言葉を発しておきながらゾっとした。

「オレ やっぱりバカだな、先にこの話振ったのオレじゃんか……」

再び、意気消沈するオレをよそに、アルフォンスはクツクツと傷口が痛むのをこらえてでも笑いだしていた。
時々咳が混じってもアルフォンスは前屈みになってこらえた笑いを止める気配がない。

「おい、大丈夫か。」

顔を上げて背中をさすってやろうとしたら、アルフォンスに制止された。
ようやく一息ついたアルフォンスは身体を起こして涙目を人指し指でふきながらオレを見る。

「いやー、 いつの間にか立場が逆転してるのに、今更ながら気がついて。」

ひとつ、深呼吸。
背筋をのばし、毅然とした姿勢で、蒼い瞳で、真っ直ぐにオレを見据えて。

「エドワードさん」

「お、おう」
気圧されて、一瞬たじろぐオレにアルフォンスが掛けた言葉は以外だった。


「ごめんなさい」

「…… ?」


「ぼくは、そんなに世捨て人に見えました?」

「………」


「確かに、割と満足してたんだと思います。
 貴方は帰ってきてしまったけれど、貴方の傍にはアル君がいてくれてるから。」

「でも、 アル君はぼくのかわりじゃないし、 エドワードさんもぼくじゃないですから」

「―――――ぼくは、ぼくです。」


「………」

「ぼくの人生はぼくのモノですから、エドワードさんにはこれぽっちもあげませんよ」



「よろこびも、悲しみも、全部、全部、自分のものですよねぇ」

最後に同意を求めるように、小首をかしげて笑う。

アルフォンスはアルフォンスなりに自分の人生に折り合いをつけて、穏やかに最期の時を迎えようとしていただけだ。
だけど、オレには、それがとてつもなく、もどかしかった。

アルフォンスがアルを瞳に映す度に、憧憬も、羨望も、嫉妬すらも抱かずに安らかに微笑む度に、
全てを赦し、安寧を得、満足し、納得してしまう度に、
まるで昔の自分を見ているようで尚更に。


『エドワードさんとなら、未だ見ぬ宇宙(世界)や 新しい扉(可能性)が開けそうな気がするんです。』


あれは、たかだか小さなロケットの試作品の打ち上げが成功した日の夜の事だ。
天上の月と河原に揺れ写る月とがどちらも大きくて明るかった。
いつになく、希望にみちた、好奇心のかたまりの子供ような、宇宙(そら)とオレと未来に向けられたアルフォンスの笑顔。

あの時とは決定的に違うあの笑顔。


今の状況で、生きる事を諦めるなと、可能性に縋れと言うのがどれ程残酷か、
再び、現実を受け入れてないと言われればそれまでだろうか、
それを伝えて、落ち着いてるアルフォンスを掻き乱して何になる。

オレにそんな事を言う資格がないのも確かだから、言うつもりもなかったのに……



だけど、アルフォンスはオレが言いたかった事の遥か上の解に辿りついたのだ。


「そんな感情を生み出すきっかけが人だったり、歌だったり、自然だったり、人は世界って呼ぶんだと思うんです。

 そうですね、自分のいなくなった世界に対して随分と無責任でした。 反省してます。 すみません。
 自分の事は自分でなんとかするしかないですよね。
 
 でも、これは、かつて、貴方がアル君に対してした事でもあるんですから 
 そこのトコ分かってますか?  エドワードさん」

いたずらっぽく叱咤するようなアルフォンスがオレの顔を覗き込む。

アルの魂を錬成した時、心臓でも命でもくれてやってかまわなかった。
そして、オレはアルの魂を虚ろな鎧に閉じ込め、安らかな眠りもない救いのない身体にした。
二度目は、自分の命が代価と覚悟した。
結果、アルは記憶をなくし、この3年間、埋めようのない喪失の飢餓にあえいだ。
アルが懐かしい世界を振り切ってでも此方にきてしまったのはそう言う事だ。

理不尽な凶行で死の淵に送られた筈のアルフォンスの顔はそれでも満足げに安らかで、死んでいるのかのようだった。
やがて本人の意思に関係なく、昏睡状態から、肉体の本能とオレの望み通りに生の道へと歩きだしたアルフォンスは、
目を醒まさないまま無意識にでもソレを拒絶するかのように時々苦痛にうめいていた。

苦しそうなアルフォンスを見るたびに、血に染まりながらも、蒼白く、達成感に満ちた幸せな顔を思い出す。
これからの苦病を思えば、いっそあのまま逝かせた方が良かったのではないかと思いさえした。
アルフォンスの生を望む事は、いたずらに艱苦を長引かせるだけなのだ。
それだけ分かっていながら、尚、アルフォンスの覚醒を望まずにはいられない自分のエゴに辟易しながら
ただ、ただ、アルフォンスのベットの傍にいても何もできず、ただ在り続けるだけの自分の無力さに絶望していた。

命という未来の可能性に縋がり、傲慢にも譲ったのは相手を想っての事に嘘・偽りなどはなかったのは真実。
だけど、
残される側の空虚と残す側の自己満足なら自分の為に後者を取ったのも事実。

そして気づく、
どれほどにオレがアルを想っての行動だったか、それは同じ行動をとったアルフォンスも同じ事。
どれほどにオレ自身を粗末にするオレに憤り、アルフォンスに助けにならない自分の存在をむなしく思わせていたか。
どれほどにアルフォンスがオレを想っていてくれたか。

想い、想われながら、すれ違うも、ここに辿りつくまで何一つ無駄な道は無かったはずだ。
今までの全てがココに至るまでに必要なもので、オレ達は互いを理解するだけの術を手にいれた。
だが、あまりにも残された時間のなさがいと惜しい。

「ただ、人は今を生きて、泣いて、笑って、死んでいくだけなんです。
 人は愚かでエゴの塊だから、たったそれだけの中で、いや、それだけの中だからこそ、
 掴めるものも、守れるものも限られてて、
 自分の知らない誰かより、結局、自分と関わりを持った人には生きていて欲しいって、
 出来れば幸せで笑っていて欲しいって思ってしまう。
 でも、
 相手を知り、相手の世界を認めて、そうやって樹が枝を張るように広がって相手への想いが繋がっていけば、
 相手の幸せを願うのが叶うなら、争いの火種なんてどこかで立ち消えるのかもしれませんね。
 そして、世界が未来に残るんです。」

祈るように身体の前に組まれていたアルフォンスの手が解かれ、オレに向かってのばされる。
横髪を掻き分け、そっと頬にふれる。
今まで、力を込めて組まれていたであろう指先はしっとりとしていた。
婉然たるさまで、微笑を湛えて、やさしいけれど、意志を込めた声でアルフォンスが願う。

「だからエドワードさんも、笑っててもらえますか?」

アルフォンスもひどく残酷な事を言う。





※  ※  ※


うららかな昼さがり、世間さまでは暢気にそろそろお茶にでもしようかと言う時間。
扉の前で、話をどう切り出したものか考えているうちに、医者に悪態をつきたくなった。
直接、アルフォンスに言えばいいのに、なぜ、オレを介してなのだ?

いやいや、アルフォンスからオレ達に伝える方が気まずいに決まってる。 ……と、思う。

吉報だ。
気休めでなく、希望である。
オレだってアルフォンスの喜ぶ顔が見たい。
オレが何かをしてやれたワケではないのだが、オレから伝える事でアルフォンスを喜ばせる事ができるのだ。
やはり、このポジションを与えてくれた医者に感謝しようと思う。

ここは茶化して、軽く言うのがアルフォンスの為かもしれない。

一呼吸おいてドアノブを回す。
視界に入る、薄いカーテン越しの光、
でも、今は、今まで忌々しくも無神経に白く輝いていたシーツや味気ない白い壁の乱反射すら幸福の増幅装置に見える。
現金なものだ。

「いらっしゃい、エドワードさん」
視線を上げて言う、アルフォンスの手元には本が数冊と膝を覆うような大きさの一枚の紙切れ。
相変わらずロケットの設計図でも見ているのかと思ったら、英国行の路線の確認の為の地図などで、 
それは、怪我が治ったら、まだ身体が動くうちにとアルフォンス自身が望んだ事だ。
 
「起きてて大丈夫か」
大丈夫に決まってる。

「ええ、なんか最近、調子いいですから」
そりゃそうだろう。

いつものように、ベット際の質素な椅子に腰を下ろす。
窓の外に見える木々は枝ばかりになってしまったが、春になりゃ、また萌えるばかりに芽吹くんだろう。

「あ――  、 あのな アルフォンス」
本を脇のサイドボードに片付けながら、アルフォンスがこちらを向く。
くそう、やっぱり言い出しづらい。

「…?」

呼びかけておきながら、話を切り出さないオレをいぶかしみつつも、アルフォンスは口をはさまず待っている。
心なしか、アルフォンスも期待した嬉しそうな顔をしているような気がする。

「えーと、 あー 
 すまん、先に謝っておく。 全部、いろいろ、オレのせいだ!」

本来、謝罪すべき事とは大きく逸れてしまい、随分と軽いモノになってしまったが、アレについてはまた後日、真摯に感謝しようと思う。

「エドワードさん、 謝罪の割りには、顔が笑ってて胡散臭いんですけど…… 
 何か悪巧みでもしてるんですか?」

お前をこんなに疑り深くさせちゃったのもオレのせいなのかなぁ… ホントいろいろ ゴ メ ン ナ サ イ 。

「…悪巧み  悪巧みねぇ?  いや、真面目な話」

ちょいちょいと手招きをして、アルフォンスが顔を寄せてくるのを待ち、耳打ちする。
偏った重心にベットがキシリと軽く沈む。世界の様相の一辺をを示した紙はカサリと落ちる。
話を聞き終えたアルフォンスが、上体を戻して、オレに向き直る。

「………………………本当に?」

問うアルフォンスにオレは無言でうなづいた。
するとアルフォンスは俯いて、肩から力が抜けたように脱力したが、耳は真っ赤だ。

ああ、やっぱり。

「……えーっと …あ...  いくらエドワードさんが嘘つきだからって、こう言う嘘をつかないのも知ってますけど
 にわかには信じられないと言うか…… なんといいますか……」

「…その......ご心配、おかけしました。」

「知ってるのが、オレとアルとノーアだけで良かったなぁ アルフォンス! これも君の秘密主義の賜物だよ。」
言って、項垂れたままのアルフォンスの肩をバシバシ叩く。

「エドワードさんの いぢわる……」
上目遣いに呟くアルフォンスの両頬を出来る限り優しく包んで、上を向かせる。

「よかったな」
オレは今、アルフォンスの望む通りに笑ってやれてるだろうか。
アルフォンスの顔は今だ紅潮してる。だけど空色の瞳は以前の輝きを取り戻して見える。 それがうれしい。




※  ※  ※



退院の日、病室に持ち込んだ荷物はそう多くもなかったのだが、やっぱりオレとアルとノーアの3人でアルフォンスを向かえに行った。
帰り道、アルフォンスが少し疲れたと言うので近くの公園のベンチに腰をおろす。

アルは相変わらずの動物好きで、少し離れたところで鳩を見つけて、さっさと群の輪に混じってしまった。
ポケットからエサを取り出して(なんで常備してるカナ)一気に鳥の群に埋もれたかと思ったら、
鳥達がバサバサと遠慮なく寄ってくるのに流石にたまりかねたのか、パン屑をを弧を描くようにばら撒いて、
今度は鳥の翼と、モスグリーンのコートの裾をヒラヒラとはためかせて戯れている。
季節柄、風もずいぶんと冷たくなってきた。
遠くでノーアの長い髪がなびいている。
こうしてベンチに座ってるよりは、なるほど、かけずりまわってる方が温まりそうだ。

そんなアルの様子を見ながら隣に座るアルフォンスが目を細めて呟いた。

「元気だなぁ」
「オヤジくさいぞ、アルフォンス」
「エドワードさんといるといろいろと体験させて貰えましたからね。経験値つんじゃって、一気に老け込んだ気はしますよ。」
「悪かったって言ってるだろ。 どうせ、オレなんかストレスの原因だよ。」
「心労って言って下さい」
「……やっぱ、オヤジくさい」

「あー もう、どれだけ言葉を尽くしたら、貴方に伝わるのかなぁ」

アルフォンスがベンチの背もたれに腕を回して、天を仰ぎ見る。
わかってるさ、オレがお前の荷物ではなく、中心だって事ぐらい。 自惚れていいんだろう?

体勢をずらして、ベンチに右足の膝をかける。(これはちょっと屈辱)
右手の掌はベンチの背。
瞳に空を映したままのアルフォンスの顎を左手で固定する。
だけど、アルフォンスの視界を遮って、オレしか写さないようにする。

「いいんですか? 弟さんが見てますよ。」

後ろで束ねた髪がサラリと落ちたが気にしない。

視線を合わせて、瞳を重ねて、唇も重ねる。
額をあわせて、互いの熱と存在を確認する。
もう一度、アルフォンスの顔を寄せて、口の端にキスをした。

「お前も大概わかってないさ、 オレが弟とこんな事すると思っての?」

「…えッ……?」
 


「…だからさ、もう、ずっと前からさ……」














「………………………………え、え――――っ!?」


傍目にもわかる程にアルフォンスは顔を赤くした。
肺癌の診断が誤診で、吐血しちゃうくらいは重症だけど、ただの胃潰瘍で、
咳は幼少の頃からの喘息の再発にすぎないと告げた時以上に。
今回はアルフォンスの顔を見てる事ができたので、天地が―――世界がひっくりかえるってのはこう言う事を言うのだなと思った。

“門はこころのうちに”

世界の様相など、些細なきっかけと、自身の受け取りかたでいくらでも変わるのだ。
オレ達はそのきっかけを日々積み重ね、選択した結果が今の世界だ。
自身で作り出した世界を否定すると言う事は自らを否定するという事。
現実を真実に錬成できるかは己次第。



空が高い、雲が流れる。



「ねえ、エドワードさん。 ぼくずっと考えてたんですけど、
 いくらぼくがロケット開発が好きで、夢に力を注いでいたとしても、
 余命幾ばくもないなんて言われなかったら、あそこまで必死にはなれなかったと思うんです。
 ましてや、アレにエドワードさんを乗せて返そうなんてね。」
 
「正直、貴方の諦めたロケットを飛ばす事で可能性を示したいのが第一でしたけど、
 少しでも、あなたの記憶に残ればいいと思ったけど、
 あなたを一人残してしまうくらいなら、あなた言う世界を認めてもいいと思ったんです。」

「だから、医者の誤診はこの状況を作りだすのに、――――今の世界にとって必然だったって」


「そう思ったら」











「やっぱり、世界は捨てたもんじゃないですよ。」




アルフォンスがにこりと笑う。



空が蒼い、陽はめぐる。



まったく、今日も世界はうまく回ってる。



































※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※



【解説と言う名の言い訳文】

なんか、いろいろ、台無しにしたような気が………
TV51話のパパの言に戻っただけのような……… (これ以上散漫にできなくてエドがパパ思い出す場面は割愛)
結局、信念的にはアルの一人勝ちで、
ハイエドは「可能性があるうちに諦めるのは許されない思考」に汚染されてるだけのような気が……

いやいや、まずはココまで読んでくださってありがとうございます。
劇場版からそのまま読んでOKなパラレル話ですが、自分の小噺のさらに別Ver.ってどうよ?と思いつつ、
コレも一つのありえた世界だと思って読んでいただけたら幸いです。
(そう考えると愉快だろう? BY:ラング)

今回、ifネタ書いてみて、やはりハイデさんは死してこそ華なのだと確信いたしました。
劇場版でハイデがピンピンしたラストだったとしても、余命幾ばくもない状況だったらエドにとってもつらいワケで
いや、その後、ハイデの死を看取るまで、看病しながらぐるぐる思考を巡らせて現実を受け止めていく二人の関係や
エドが決意していく様なんてのも萌えだけど、ホントのトコロ現実なんてそんなもんだって思うけど…
ハイデさんにしたって、エドがぼろぼろで帰ってきて、あっちの世界での惨劇にエドが語らずとも薄々気づいちゃって
自分のロケットが原因の一要素なんて思っちゃったら、命尽きるその時までロケット工学続けられるのかなー?
『弱点:ロケット』の人にはそりゃ死と同義だろうとか、
階段殴打事件の前セリフでエドがロケット開発が戦争に使われる可能性を示唆したのに聞き入れなかったのは
エドを返したい一心も在ったけど、後世への自己の存在証明を残したがった割りには、
その証明としてのロケット開発が戦争の道具になろうとも自分の死んだ後の世界なんて知ったこっちゃなかった(黒!)矛盾とかを感じてしまいます。
そりゃ、ハイデさん達成感のまま何も知らずに死んだ方が幸せだよ。
だから、百歩譲って、ハイデが肺癌で死ぬのでなく、あの騒乱の中で死んじゃったのは仕方ないとしよう。
ただ、ただ、横たわるハイデさん見ておきながら、弟と決意固めちゃってる兄の淡白さだけが葬儀シーンだけじゃ足りないのですよ!!! なんとか言えよ兄!

なので、今回、     劇場版、ハイデ、全否定……… えぇー?         の方向で。

生き残り設定にした時点で全否定なんだから、その設定でしかやれない事をやろうかなと。
さすがにね、オチが胃潰瘍じゃなきゃ、エドをここまで我侭にヘタレさせられませんって。
ハイデが許しても私が許さん! きちんと背負えと言います。

劇場版ラストの決意&弟そっちのけで、ハイデ喪失の危険に悪あがき思考のエドさん。
えどわどさんに考える時間を与えるのはよくないです。余計な事ばっか考えて自縄自縛に陥るのでたいへん危険です。
しかも結局、エドさん ハイデに「ありがとう」言ってないんですけれども~? あれ?

劇場版ハイデの選択は間違ってないと思うけど、せつなすぎて、
彼らを円満に幸せにするには、ハイデさんに考えを改めて(思い留まって)貰うしかなかったと言うか…
ミュンヘンのエドさんは過去があんなんなので、幸せに手を伸ばすのに躊躇いまくりで禁止事項に思ってるフシがあるし、ハイデは余命を存在証明にかけたけど、それって幸せの追求だっかと言うと難しい(T_T)
ハイデ否定者のエドと出会わなかったらもっと別の道の自分の人生の使い道があったのかもしれない。(ハイエド失格発言) こいつらホントに自縄自縛で二人で幸せになる気&なれるなんて思ってなかったんだろうな…… 特に兄!

劇場ハイデが自分の存在を時間軸的に後ろに残したがったのに対して、
今作では横世界的に繋がっていく結論を持って頂きました。

ここでも、エドに折れてあげるのか…… ハイデリヒさん。 い い ひ と す ぎ !
いいじゃん、エドにハイデの存在負ぶらせとけよ。 ついでに孕ませて、遺伝子も繋いでおけって。

いや、ぶっちゃげ、劇場ハイデがあれ程に証明したがった世界の定義が実はよくわかんなくて…… 捏造。
エドさん、いくらアホでもハイデと弟が違う事くらい分かってたと思うんですよ。
エドさんが見えてなかったのは、ハイデではなくハイデにはハイデの関わる世界があるって事なんでしょう。
集中力抜群が売りのエドさんは故に対人の価値観のすり合わせとか自分では下手そうだもんね。
指摘されれば素直にきく事のできる柔軟性は持ってる子なんだけど、指摘されるまで気が付かない困ったさん。
ハイデはハイデで、多分、出逢った時にロケット工学の発想とか既成概念に囚われない思想に心酔しちゃったから(←惚れた弱みの発端)エドさんを過大評価してて、その辺、指摘しないでエド自らが気づかないと意味がないし、気づいてくれるって信じてたのか、
ある意味、厳しい人なのでアルに比べて直接ツッこまない。 結果、後にろくな時間もないまま言葉で伝えるハメになっちゃった。 もう、何度も言うけど、ハイエドは直接話し合えよ。 OTL

てなワケで、今回ようやく話し合って、相手の身になってみる二人のお話しでした。(メビウス本編の追悼編ではハイデだけはエドの身になってるけどね。)
いや、もう、メビウスリング本編の欝展開に飽きたつーか、気分転換つーか、逃げつーか、
某様の18Rハイエド小説読んで、ちゅー位はさせてあげたくなったつーか。
その割りにはPG12にすらならんでしたけどね。
思うんだけど、映画のPG12ってたいてい暴力シーン制限で、PG12指定のエロって存在するのかな?
PG12指定のエロ…… きっと、親と見に行くほうがこっぱずかしいね。

しかし、アホテキストと思って軽い気持ちで書き始めた為、なんかいろいろ詰め込みすぎちゃって、主題が散漫。
某様が読まれた後には消しちゃおうかなーとか思ってたり。
パーツそれぞれバラしてメビウス本編で再構築しそうな気がします。

このエドの欝思考のテキストのどの辺がアホテキストなのかと言うと
私の気軽く甘い考えで書き出した姿勢と、エドが大変「アホ」なところです。
ラストの告白に至る過程に裏打ちがなく、いきなりラブ展開になるのもお気軽アホ展開だとわかってます。
ってか、中盤が的確な表現ができなくて、言葉を重ねるほど欝展開になったのが想定外なのですよ。
ココ、煮詰まって2週間くらい放置してました。
それ以降の場面の方が先に書き上がってて、バランスとしておかしいのもわかてて合えてそのままです。
これ以上お気楽のつもりで書き始めたアホテキストに時間かけてたらメビウス本編とかMADに取り掛かれないので強制終了。
なので、当初のUP予定が1月23日で、次が2月3日の兄さんDay&豆の日には間に合いませんでしたが、
兄さん噺より、「ハイデリヒさんの恋人」の噺なので、まあいいやと自分的メ切を延長しまして今日のUPに至っております。

しかし、なんだろうね、中盤のこの説教くささは……… つくづく『CLAMP』世代だと思ってしまいましたよ。 えらそう。


これ、実はエド女体化で耳打ちは「子供できちゃった」宣言の方がステキにバカップルだったよなぁ。
そんで、ハイデが「残して死ねないなぁ」とか思って、「病は気から」よろしく、気合と根性で肺癌治すの!(ムリ)



※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※


おまけ。
公園で鳩と戯れてるアルとノーアの会話。

「ねえ、ノーアさん。 兄さん達いつもあんなカンジなんですか?」
「以前はもうちょっと、悲壮感があって、おいしかったんだけど……」
「あれじゃ、ただのバカップルですね。」
「後悔してる? こちらにきてしまった事」
「いえ、兄さんの事だから、ぼくがいて、はじめてアルフォンスさんの手を素直にとれるようになったんでしょ。
 どーせ、アルフォンスさんをぼくの代用品じゃないと思い込む事に始終して、
 何故そうしてしまえなかったかなんて気づくどころか、思いつきもしなかったに決まってますから。
 だからぼくがココにいることにはちゃんと意味があるんです。」 
「とでも思ってないと、やってられないわよねぇ」
「いえいえ、兄さんの幸せはぼくの幸せですし、元をただせば、ぼくの命は兄さんそのものでできてますから♪」

……………………………………………………この子、言ってる事は無償の愛で美談っぽいけど、実は電波ね。
アルフォンスの苦労はまだ続きそう。ストレスで儚げになっていく様もまた一興。もう少し、3人に張り付いてましょう♪



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テーマ:鋼の錬金術師 - ジャンル:アニメ・コミック

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コメント
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今初見です。
なんというか、二人の幸せぶりに目が眩む思いです。いいこれ…いいよ!これがいい、劇場版これがいいよー!!!
とすみません、初見で言葉になりません。もう少しまとまってからまたコメント出したいので、も少しお待ちください。

それにそんなラブ展開にあっても、心の刺さるシーンたくさんありましたよ。
詳しくは2読以降にさせていただこうと思いますが、
>でも、これは、かつて、貴方がアル君に対してした事でもあるんですから 
>そこのトコ分かってますか?  エドワードさん」
わかってますかエドワードさん!!!(問い詰めたい)

いや、何もかもがステキですよ。幸せです。
説教くさいなんて思いもしなかったですけど、もし聖部様がそう思われたとしても、いいんですそんなの。
ハイデが幸せで、そのとなりでエドが笑ってたら!
もー、これなんですよね…、究極は。
映画冒頭のみたいな空々しいのじゃなくて!二人で笑ってて欲しいの!と。

最後に爆笑した箇所だけ
>実はエド女体化で耳打ちは「子供できちゃった」宣言
>「以前はもうちょっと、悲壮感があって、おいしかったんだけど……」
美味しすぎますから(笑) 超、爆笑させていただきました!!

とりいそぎ拝見のご報告まで!
まだ何回か読ませていただきますので、消さないでくださいませよ!?
by: さや * 2006/02/05 19:05 * URL [ 編集] | page top↑
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2読目デス~。

あーやっぱりステキだ。ステキです。
最初ははやく先が知りたくてどひゃーと読んでしまったですが、2読目、じっくり味あわせていただきました。
エド看病時「鬱」→病名告知後「躁」展開、大変だったんですね。お疲れ様でした。
しかしこの展開、エドらしくて私は好きです。
なんつーか、たぶんあいつ意外と現金だと思うので(笑)
って感想書いて見返したら聖部様も仰ってましたね。
>現金なものだ。
確かに。

>何の為にお前は戻ってきた? アルフォンス・ハイデリヒ
>「ただ、人は今を生きて、泣いて、笑って、死んでいくだけなんです。
など映画展開がパラレルに組み込まれているところも、
>今までの全てがココに至るまでに必要なもので、オレ達は互いを理解するだけの術を手にいれた。
にかかってて素敵だと思いました。
ふたりは紆余曲折を経て同じ結論(というか心境?)に至ったのだね、と。

>それでも一つの結果がココにある。
>自分だけが得てばかりでうしろめたい。
ここ、エドからハイデへの愛を感じました…!
もー内心笑いが止まらなかったでしょうよエドさん。笑い泣きというか。
心境慮るにこっちまで笑い泣きしそうな気分になります。

>アルが懐かしい世界を振り切ってでも此方にきてしまったのはそう言う事だ。
ここもよかったです。ほんとだよね…。
というかそうとでも結論付けないと(以下略

>残される側の空虚と残す側の自己満足なら自分の為に後者を取ったのも事実。
これ、エドの行動パターンで陥りやすい罠ですよね。
待つこと、何もしないことに耐えらえないという。
将を射るなら将を射っちまえの人ですからなにしろ。
そういう意味では、そんなエドをあんな世界に叩き込んだ会川氏はすごいのかもしれない…。


あと、このあたりがとてもステキでした。
なんというか荒川先生の姿勢に通じるものが。
>相手の幸せを願うのが叶うなら、争いの火種なんてどこかで立ち消えるのかもしれませんね。
>「やっぱり、世界は捨てたもんじゃないですよ。」
『現実は厳しいけど、「こうあってほしい」という気持ちをこめて書いている。』てやつです。
リアル現実に対してもそうだし、劇場版の結末に対しても(笑)そうだし。
ハイデさんはステキないい子だなあ(話しずれてる)

ハイデさんといえば
>「ぼくの人生はぼくのモノですから、エドワードさんにはこれぽっちもあげませんよ」
>貴方の諦めたロケットを飛ばす事で可能性を示したい
>エドさんが見えてなかったのは、ハイデではなくハイデにはハイデの関わる世界があるって事
このあたりのハイデ考ステキです、完全同意ですね。
ハイデにはハイデの意地があるんだよ、エドワードさん。
しかしここまで言われてもエドはわかっているのか微妙だなあ。
おっしゃるとおり、人の気持ちをおのずから察するってのが苦手ですよね彼は。
主人公の気持ちを50字以内で示せ、とかのテスト苦手そうエド(ひどい言われよう)

ああでも考察のとおり、ハイデさんの展開を考えるに、
>エドを返したい一心も在ったけど、後世への自己の存在証明を残したがった割りには、
>その証明としてのロケット開発が戦争の道具になろうとも自分の死んだ後の世界なんて
そのあたりはひっかかりますよね。
「わかってたけどよりによって現実認められないエドに言われたくない」
って意地だったのかなあ。
お前この現実認めてないなら戦争になろうがならなかろうが関係ねえだろ、みたいな。
やっぱり彼も17歳♪ですし。

しかしあれですね、ハイエド幸せフラグは、エドが完全にあちらの世界をあきらめるか、
それとも二人ともがやりたいことを全部やるだけやって清々するか、
どっちかじゃないと成りたたないことがよくわかりました。
幸せにしてあげたいのはやまやまなんだけどなあ。

2読しても間抜けな感想しか出てこなくて申し訳ありません。
そしてまたしてもムダに長文…。
でもとても幸せな気分にさせていただいてうれしかったです。ありがとうございました☆

追:『PG12指定のエロ』って実は一番エロいのでは…。18Rはエロいというより生々しいのだなとw

by: さや * 2006/02/07 13:19 * URL [ 編集] | page top↑
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■Toさや様
おまたせしてすみませぬ。2読目感想まで頂いてしまって、この喜びを伝える為には即レスが一番だとわかりつつも、
長文になるのは分かりきっていたので、週末までお待たせしてしまった次第です。

>いいこれ…いいよ!これがいい、劇場版これがいいよー!!!
パラレルするなら、幸せフラグ立てなきゃと心に決めて書いたバカップルテキストでございます。
それでも、鋼らしさと言うか、劇場版を継いだメッセージ性(アンチも含めて)をどうにか詰め込もうとしたしたトコロ
欝展開とか説教くささがでてしまい、何度、アホテキストと割り切って、諦めて方向転換しろよと思った事か。
なんとかカタチになっていたようで、さや様に気に入って頂けてよかったです。

>わかってますかエドワードさん!!!(問い詰めたい)
さや様とハイデがグロリオサでいい加減キレたように、私も我慢の限界で、エドさんに説教したかったようです。
一応、時間軸的にハイデのキレフラグ解禁は階段殴打事件の後と言うのは死守しました。
が、生き残り設定の方が、階段殴打事件前にハイデがキレるより、ありえない話ですよね。ダメじゃん。

>最初ははやく先が知りたくてどひゃーと読んでしまったですが
最初の注意書きにハッピーエンドと書きつつ、さや様なら胃潰瘍オチを分かってらっしゃっただろうに、なんでそんな……?
ともあれ、初読感想と重ねてコメント頂けたのは嬉しかったです。

>たぶんあいつ意外と現金だと思うので
だって、エドさん「出口教えてください!!!」(To エンヴィー)の人だから。(笑)

>ふたりは紆余曲折を経て同じ結論(というか心境?)に至ったのだね、と。
メビウスシリーズのハイエドで狙ってるのは正にコレで、別Ver.で先に結論づけてどうする自分って展開です。
いや、もう、話し合わない二人には同じ体験をさせる(立場にたたせる)しかないじゃないですか。
ハイデはその辺、自覚あって、
「同じ物を見て、同じ体験をしてなければ、何も理解できず、分かち合えないとでも思ってるんですか」
とか、それに近い事を何度か含ませて本編で書いてるのですが、
兄さん、ハイデ巻きこみたくないので、あえて歩みよらなのですよ。そのクセ、傍から離れられない甘ったれでハイデさん大変です。
にしても、ハイデに想われてるの、アルフィルター(自分がいかにアルを想ってたか)通してじゃないと気づかない兄はやっぱりアルが必要なダメ兄だ……

>アルが懐かしい世界を振り切ってでも此方にきてしまったのはそう言う事だ
>というかそうとでも結論付けないと(以下略
兄さんにとって、
ア ル:生きてく為の絶対条件
ハイデ:幸せになるための可能性。
なのだとこの話を書いてて思いました。
もう、アルは本妻で、ハイデは愛人。そう割り切ろうよ兄さん、ハイデさん。
本妻より愛情が深いから、あえて愛人なんてリスク負うんでしょ。 立場はともかく本妻より愛人の方が愛されてるってばよ。
そんで、どっちも捨てきれないって事なんだよ。 好きなモノは削るのではなく増やしましょう。そこに誠実さがあるかは当人達次第さ,,,,,勝手にしろ。

>相手の幸せを願うのが叶うなら、争いの火種なんてどこかで立ち消えるのかもしれませんね。
>ハイデさんはステキないい子だなあ(話しずれてる)
書きながら、そんなに世界は甘くないし、都合良くできてもないさと自分でツッコミを入れながらも
ハイデさんならそんな考え持ってもいいかぁと自然に思わせるハイデさんはすごいです。兄弟じゃココまで楽観的に考えられないですよね。
まぁ、メビウスのハイデさん、ある程度、育ちがいいですから。思考は善意に満ちております。両親、片田舎の教職者っぽいイメージがある。
ハイデの説教がここに帰結するまでが苦労どころでした。
ハイデ視点に切り替えればもうちょっと楽だったんでしょうけど、ここはハイデが思ってるだけじゃなく、
エドにも言ってあげないといけない事だから、辛抱してエド視点のまま、全てセリフで繋ぎました。

>「ぼくの人生はぼくのモノですから、エドワードさんにはこれぽっちもあげませんよ」
言い方変えると「そんなにぼくを背負うのが嫌なら あぁ、もういいですよ エドワードさんなんかアテにしません」
って言ってるようなモンなんですけどね。少なくともエドは↑こう受けとって落ち込ませてもよかったんですけど、
ホントは私のハイデに対するツッコミでもあるんですよ。
「ぼくはぼくだ」と言っておきながら、彼が彼の存在証明をエドに仮託してるのはどうなんだソレ?みたいな。
ハイデも大概、エドに否定されたら自分が無くなっちゃうような考えの持ち主ですよね。
なんでそんなにエドさんにこだわっちゃうかな♪ ←ソレはエドさんが自分がいないとダメな人だから。

>「わかってたけどよりによって現実認められないエドに言われたくない」
>お前この現実認めてないなら戦争になろうがならなかろうが関係ねえだろ、みたいな。
もう、ハイデの心情的には↑コレに尽きると思いますよ。
ただね、国とか世界とか一個人が背負うものじゃないと思うんですよ。
「人は誰しも世界と無関係ではいられない」と言いつつ、最終的に一人で背負おうとした自己犠牲兄さんは、他の人の責任ついてどう思ってるのか…… 
一応アルには「お前も門を壊せ」って責任(と世界への関わり)を促しておきながら、アルは人の話聞いてなくて放棄しちゃうし(笑)兄は許容しちゃうし
「みんなが悪かった」なんて言葉は好きじゃないですが、
少なくとも劇中では「人は誰しも世界と無関係ではいられない」と訴えた以上、「誰しも世界に対して責任を負う」事を示すべきだったなと。
ハイデさんには生きてて、ロケット作った事で、その後の悲劇と希望を見届けて頂きたかったです。
いや、マジでハイデさんあの後、生き残ってて、ロケット開発を当時のドイツで続けようなんて思うのかしら? 
なんて事でコソっと英国行を示唆してみてたり♪ はい、大概、私、キャラに甘いです。 ホントは兄弟はロンドン・エドの墓参りでも行くといい。

>ハイエド幸せフラグは、エドが完全にあちらの世界をあきらめるか、
>それとも二人ともがやりたいことを全部やるだけやって清々する
エドさんの弟に対する愛情を知ってるハイデさんとしては、
エドが完全にあちらの世界をあきらめたトコロで、ソレについてエドさんがハイデを納得させれないとわだかまり残すと思うんですよね。
そしてエドさんにそんな説得力のある事が出来るハズもなく……
勿論、ハイデは面とむかってソレについては言及しないし、エドがアルを想う事を許容できない自分も許せないので取り繕っちゃう。
しょうがないかと思いつつ、やがて、どっかで歪がでると萌え。 この場合、先にダウンしちゃうのはハイデだと思われます。 
エドはニブちんなので「オレは諦めたのに、お前はまだ気にしてたのか」的にハイデさんダウン後にようやく気づきそう。
ハイデさんも、弟がエドさんの側にいた上で自分を選んでくれないと納得しそうにないトコロは大概イイ性格してます。
と、言う考えがありましたので、今回は「二人ともがやりたいことを全部やるだけやって清々する」の方向で展開でした。


おまけー今作でやろうとして挫折した事ー←コメント欄に書くな!

●もうちょっと、悟りめいた病床のハイデさんとやんちゃアルの対比を書きたかった。
 &その姿にやるせなさと憤りを感じるエドさんの描写。足りてませんよね。

↓その流れで

●エドさんがハイデ泣かせて「もっと、生きたい」って本心気づかせて、言わせて、受け止めて、エドの株あげればエドの勝ちだったのに
 ウチのエドさん、そんな度量ありゃしねーーーーッ!! エドさんハイデに惨敗してばかりですよ。
 ↑ここまで大騒ぎしてこその「ご心配おかけしました」ですよねぇ。

●二章「よかったな」の後にちゅーしてるのは言わずもがなですが、「1章1ちゅー」ってどうよ?事で削りました。残しててもよかったカナ。
 そのまま病院のベットでいたしちゃうのも言わずもがなです。

●“門はこころのうちに” のくだりでホーパパに思いを馳せてちょっとホーパパへのフォローも書いてあげたかった。
 コレについてはメビウス本編でアル視点でリベンジを! アルにとってはパパとハイデの比重ってどっちが重いんだろう?


と、まあ、予告したとはいえ、ココまで長文にお付き合いくださりありがとうございました。
by: 聖部 翔 * 2006/02/12 01:59 * URL [ 編集] | page top↑
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